禁止令以降の新しい疫学的証拠でFDAの決定をくつがえすことができるかどうかははっきりしない。法律的状況に与えるその影響もまた予想がむずかしい。ダウ・コーニングの破産、集団訴訟和解の破綻、残りのメーカーとの新しい合意の不安定さを考えれば、法律的状況はおそらく何年間も流転のままだろう。その複雑さに加えて、いくつかの裁判区で、ダウ・ケミカルがダウ・コーニング製豊胸材に対する責任をとるようにとの判決が下りた今、新しい裁判ラッシュが起きやすい状況だ。研究成果として、豊胸材と結合組織病の関連を発見しなかったこと、もしくは弱い関連しか発見しなかったことは、判決がまだ出ていない訴訟に影響するかもしれないが、FDAの決定の逆転という楽観論を支える根拠にはほとんどなり得ない。この爆発寸前の状況においては、ほぼ確実に、多くのことが世論によって決まるだろう。私(エンジェル)はメーカーの怠慢よりも、原告弁護士と彼らに共謀した医者の関与を重大だと思う。豊胸材論争の最終結末がどんなものであろうとも、豊胸材物語は私達全員をしばし立ち止まらせ、考えさせるはずだ。多くの人々は、大企業というものはまず第一に利益に関心があり、消費者の安全については法律と広報が必要とするだけの関心しかないと思っている。豊胸材物語を調べ始めた当初、私は豊胸材メーカーはこの典型だという結論を得るとばかり予想していた。私か予測していなかったのは、原告弁護士の金銭的な深い関わりと、一部の医者の共謀だった。メーカーの怠慢は、それに比べれば色褪せて見えた。豊胸材物語が展開してゆく時に、法律家、医者、ジャーナリスト達は、この論争を理性的にとらえるという責任を果たせなかった。その失敗は、これら3つの知的職業に潜む弱点を反映している。それぞれの専門職において明らかにされた問題は何だったのか?どのようにそれらの職務を果たすべきなのか?
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