現代では、買い物は経験でありエンターテインメントなのだ。そしてその傾向は、これからますます強くなると僕は思う。そうであるならば、時代に対応したビジネスとは、多様化を目指すべきだ。多様化とは消費者の選択の幅を広げていくことだ。多様化した消費の対極にあるのが単一的消費。単一的消費とはみんなと同じ経験をしたいという人間のひとつの欲求を満たすものだ。しかし、それがいつまでも続くものではないことを歴史は証明している。かつてテレビが社会に普及し始めた頃は、日本中の人が夢中になって力道山のプロレス中継を見ていた。紅白歌合戦や大河ドラマが驚異的な視聴率を記録した時代もあった。人が画一化を望み続けたなら、その状況はずっと変わらなかったはずだ。けれど今やそんな視聴率は、遠い昔の記憶でしかない。ビデオ、DVD、ケーブルテレビ、そしてインターネットの出現で、視聴者の選択の幅が広がってしまったからだ。高きから低きへ水が流れるように、選択の幅が広がれば人の流れも多様化する。多様化が進むということは、社会が豊かになるということでもある。郊外のショッピングセンターに人が集中し、世界共通のブランドショップが隆盛を極めるという現象も永遠に続くわけではない。巨視的に見ればそれも一種の“単一的消費”なのだ。
[関連情報]
デジタルカタログとは
http://www.pleasure-ground.com/