エメラルドは、深みのある緑色をしており、ダイヤモンドと同様に傷や内包物(インクルージョン)が少なく透明度のあるものほど評価されます。しかし、「傷のないエメラルドを得ることは、欠点のない人間を探すよりも難しい」という諺があるくらい、エメラルドの内部には必ずといっていいくらい内包物(インクルージョン)が含まれています。これがあまり多いと割れやすいので注意しなければいけませんが、目立つものでなければ天然石の証明とみなされます。エメラルドを光りに透かして動かしてみると、小さな粒が集まっていろいろな形をつくります。この動く小さな粒は液体で、地球内部の液体がそのまま結晶の中に残ってしまったのです。エジプトのクレオパトラ鉱山がエメラルドの産地であったことは前述しましたが、今日では80%が南アメリカのコロンビアで採掘されます。ほかには、ブラジル、ソ連などで良質のエメラルドが各国に輸出されています。エメラルドは硬度7.5〜8(ダイヤモンドは硬度10)と低いので、とてもこわれやすい石です。もろくてこわれやすい石をジュエリーにするわけですから、性質をカバーし、さらに美しさを引き立たせるカットを施さなければなりません。このカットはエメラルドカットと呼ばれる、衝撃をあらかじめ防止できるように角を落としたものです。