エステというと誰でもまず連想するのが、全身に泥んこを塗りたくったり、マッサージをしたりという全身美容だ。ゆったりとベッドに身を横たえ、エステティシャンに身を任せている姿はいかにも優雅そのもので憧れをかきたてられる。しかし、泥んこまみれの写真をみたりすると、かえってたじろぐ人も少なくない。これが現実だ。某エステティシャンもいう。「エステというと、お客さまは毛皮のコートを着て、両手の指にダイヤを輝かせた有閑マダムばかりだと思われがちでした。ところが、実際にうちに来るお客さまは、平均年齢が二十三、四歳。シングルのキャリアウーマンがほとんどなのです」シングルのキャリアウーマンたちが、なぜエステに通ってくるのだろうか。その答えは意外なものだった。「エステというと、単に美しくなるための場だと考えている方が多いようですが、決してそれだけではないのです。エステ経験のない方でも、なんだか気分がクシャクシャするといって、美容院に行ったことのある方は多いのではないかしら。美容院でシャンプーしてもらう。これだけで、女性は気分がすっきりすることがあるのです。エステも同じことです。エステで、仕事やプライベートな生活でたまったストレスを、知らず知らず解消することができるのです。もちろん、美しくなるという効果も大きい。だから、一度エステを知ると、ほとんどの方が病みつきになってしまうのです」作家の林真理子のエステ通いは有名だ。林は執筆の疲れやストレスを解消するとともに、あるエッセイにこうも書いている。エステにいくと、ムシャクシャしていたものがウソみたいに消えてしまう。それに、自分の身体にこれだけお金をかけられるという満足感というか、誇りが自分を満たしていくのがわかる。これこそ、働く女の甲斐性というものだ。たしかに、どれほど手入れをしているか、肌や身体はおそろしいほど正直にそれを伝えてくる。