「クルマは、その生まれた当時の時代背景や文化をそのまま背負ってこそ、存在するものだと思うんです。だからできるだけオリジナルなままがいい。それに古いクルマはお客さんが適正な価格で手に入れて、愛を持って乗っていただくものであって欲しかった。金持ちのための絶版車商売は、したくなかったんです」顔に似合わぬ(失礼)ロマンチックな心情は、クルマをファッションやビジネスの道具としてしか考えない人々には理解しにくいものだろう。
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が、これこそ、氏の真のクルマ好きを物語る科白でもある。絶版車から手を引いた専門家は、もと通りの国産ファミリーカー中心に商売を戻すとともに、輸入車に力を入れた。とはいっても、今のように輸入車が庶民のものになる前のこと。こちらも古めのモデルが中心だった。「輸入車なら、古いクルマでも部品が手に入るし、ブームと関係なく、好きな人が買いに来てくれると思ったんですよ」つまり、国産絶版車と同様に、お客さんと人間的な交流が楽しめる商品を扱いたかったということなのである。